鋳物工場見学会に参加して
12月1日専門学校同窓会主催の鋳物工場見学会に行ってきました。
「キューポラのある街」として知られている、埼玉県川口市で創業から50数年を迎える「永井機械鋳造株式会社」を見学しました。当工場はミーハナイトライセンシー工場の一つとして高品質で精度の良いミーハナイト鋳鉄を製造している工場です。ミーハナイト法とは鋳物製造業に関する総合的に体系された管理技術で、この製法を持つメーカーのみが用いることができる世界共通の登録商標とのことで、本製法・規格を用いてミーハナイト鋳鉄を製造しているとのことでした。
川口市は、かつては鋳物工場で栄え、市内には幾つもの煙突が突き出した工場が軒を連ねていたが、今はビルやマンションが林立するベットタウン化し当工場も街中にありました。
このように工場数が減少する中当会社は、戦後日本の産業発展に非常に重要な役割を果たし、社会環境の変化に対応し、鋳造業のあり方を常に問い直し、向上とよりよい未来の実現に貢献することを、社員の職人さんたちの精神と技術でさらなる事業の発展を目指していているとのことで、工場内見学前の説明で会社の方の熱意が伺われました。
当日の作業は、製品製造用の時々行う金属塊製造作業でした、材料説明から始まり型枠作業へと続き溶鉱炉の説明では、以前はキューポラでコークスを燃焼し鉄を溶かし鋳物溶湯(ようとう)を得ていたが、粉塵やCO2ガス等による環境問題があり、当工場も電気炉に取って代わったとのことでした。
当見学会時間に合わせて1530℃の溶湯の取り出しをしていただき、危険の伴うことで離れて見学し火花が飛び散る様は見応えがあるものでした。
引き続きバケットに投入されクレーンによりインゴットへと移動投入し、ここでも火花が飛び散り迫力のあるものでした。
その後いくつかの工程を見て工場内見学は終了し質疑応答では、簡単な質問から専門的な質問に、分かりやすく丁寧に答えていただき感謝するとともに、今回の見学会を快諾していただいたことに厚くお礼を述べて工場を後にしました。
見学の余韻が残るままJR川口駅前のキューポ・ラ広場のモニュメント前で、記念写真を撮り駅近くの居酒屋で懇親会を行い、和気あいあいと楽しみました。
(働く喜びを表現したモニュメント)
(川口駅前 キュポ・ラ広場)
最後になりましたが、この見学会を企画設営された諸氏並びに、永井機械鋳造株式会社様に感謝申し上げます。
専門学校同窓会 土木科1974年卒 近藤 松男